マイクロニッコール55mm 事始め

花のマクロ撮影が趣味のやま帽子ですが、焦点距離55mmのマイクロニッコールレンズを少しずつ集めています。マニュアルでピント合わせするニコン製のこのマイクロレンズの歴史は、1963年の発売以来7回のモデルチェンジがあり、2011年現在7代目の現行モデル”Ai Micro-Nikkor 55mm f/2.8S”へと受け継がれています。旧モデルは新モデル発売と共に生産中止となるので、今では手に入る旧モデル品は殆どが中古品です。
さて、初めて手に入れた中古の55mm/F3.5マイクロは 「Pオート」 と呼ばれる2代目モデルで、ピントリングの模様が黒いダイヤモンド模様でちょっと格好良いのです。
下の写真がマイクロニッコールPオートですが、光の加減が上手くいかずダイヤモンド模様がはっきりとそれらしく写せていませんが、なかなか良い雰囲気のレンズです。

何故、55mmマイクロレンズを集めることになったかと言うと、それは

マクロレンズだから
ニコンの呼び方はマイクロですが、世間一般ではマクロレンズの方が余程良く通じます。花のマクロ写真を趣味とするやま帽子には他のレンズではなく、何よりもマクロレンズだったことが大きな理由だったように思っています。

デジタル一眼で使える
オールドニッコールレンズはニコンの最新のデジタル一眼カメラでも使えると色々な所で聞きます。古いレンズがデジタル一眼レフで使えるのは凄い」と単純に思ったわけで、何も知らずに「Pオート」を買ったのです。 ところが、実際には私の持っているデジタル一眼D70にも、D200にも、D700にもレンズとカメラの取付け部が干渉してそのままでは取り付けられませんでした。色々調べてみると、「Pオートは非Aiレンズ」で、絞りリングの一部をヤスリで削り落とす「Ai改造」をすれば
使えるようなのです。手先が全く不器用な私に出来るのだろうかと心配しながら、それでもヤスリ掛けしてみると、なんと取り付けられるようになり花のマクロ写真もちゃんと写せるではありませんか。でも、デジタルカメラでも使えるようになりそれはそれで嬉しいのですが、ヤスリで絞りリングを 削り落とした事は、せっかくの貴重な(?)レンズを傷物にしたことになるではないか言う、ある種の後ろめたさが残っているのも確かなのです。

モデルチェンジが多い
55mmマイクロレンズは、これは後で知ったのですが、マニュアルで7モデル、オートフォーカスで1モデル合計8モデルものレンズがあります。オートフォーカス55mmのモデルはもう生産中止なっていますが、マニュアルレンズの歴史は初期のニコンレンズにつながっていて、途中で明るさをF3.5からF2.8へと変えながら50年近く今も生産されています。そこに、 なにか古い物を今に脈々と伝えるニコンの風土のようなものを感じてしまったのです。
そして、全部のモデルを集められたら、なにか面白いかも知れないと思ったわけです。

レンズが安かった
そうです、数ある中古レンズの中でも55mmマイクロニッコールの中古価格はとても安い部類にはいるのではないでしょうか。とてもよく売れたレンズのようであり、全モデル合計で数十万個以上生産されたようです。便利なオートフォーカスの時代になり、マニュアルレンズを手放す人が多く、一方中古を買う人は少ないので 鏡胴に使った人の歴史を感じさせる擦り傷などがある並品とか実用品にランク付けされるレンズは数千円~7-8千円で手に入ります。

全モデルを集めても寂しい懐具合とも折り合いがつけられそうで、途中で挫折することなくなんとかなりそうだと思ったのです。と、言うわけでマイクロニッコール55mmを少しずつ集め始めました。長い間ブログをお休みしていましたがこのレンズについて時折ふれてみたいと思っています。

注記:マニュアルでしか焦点が合わせられないレンズで「非Aiレンズ」と呼ばれている古いニコンのレンズは一般的にデジタル一眼レフカメラとはマウント部が干渉するので物理的に取付け不可能です。無理に取り付けると、カメラ側のマウント部が損傷することがあります。取り扱い説明書を良く調べ、取付けの可否を確認する必要があります。「非Aiレンズ」を取り付ける際には十分ご注意下さい。