■ 花ニラ 4月2日
四月の声を聞き、道ばたの仏の座は小さな赤色の花を付け、群生したおおいぬのふぐりは青色絨毯のように見事だ。今年は、星の形をした白や薄紫色の花ニラが、あちこちにひとかたまりづつ咲いているのが例年より多く、何故か目を引かれる。
花ニラ花ニラの名を知ったのはもう10数年も前のことになる。家を建てた翌々年の春、まだまだ庭いじりに熱心な頃だった。その年の春、庭の片隅に咲いている星形の小さな花を見つけ、「植えてもいないのにかわいい花が咲いている。」と家内に報告すると、前の年の春友達に貰い植えたのだという。「かわいい花でしょう。花ニラと言うのよ。花が過ぎるとニラのような葉っぱだけになるのよ。」と教えてくれた。
土が合わなかったのだろうか、咲いたのはその春だけで、翌年からは花をみなくなってしまった。
仕事が変わり、家を離れた7年前の春、新しい会社への行き帰りの道ばたで、この花の星の形をしたかわいい姿を見つけたときは、懐かしい思いがこみあげしばらく佇んで眺めていた。
この春、今まで傍に寄って見たことがないこの花に、マクロ写真を撮ろうと近寄り、きついニラ独特のにおいを知り、はじめて名前の由来を得心したのだった。