きぼう を見よう(2)

10月11日夕方に観測できた「きぼう」は雲の無い絶好のコンディションで、観測時間も5分以上もあり、南西から天頂近くを通り北東の空へと明るく輝きながら渡っていく様子 それは素晴らしいものでした。
今回の撮影場所はショッピングモール「ザ・モール周南」で市街地の真中です。屋上駐車場から「きぼう」が見える方向を眺めると地上には明るい照明が灯った市街地が広がっています。そうです、今回は明るい市街地を背景にして「きぼう」/ISSの光跡を撮るのです。
さて、「きぼう」が見える角度は左右162度、高度は72度とのことなので、画角180度のシグマ15mm対角魚眼レンズを使い、全体の光跡と地上の市街地をカバーする予定です。街中に溢れる明るい照明を写しこみながら「きぼう」/ISSの光跡をなるべく明るく撮るため、撮影条件は絞りF3.5、ISO感度400に設定して、露光時間を2秒と短くして地上の明るさを抑え、2秒毎のコマを多数重ねて全光跡を写しこむ試みです。
結果が下の写真です。

「きぼう」/ISSの光跡は画面左側から中央の上を通り右上へと大きな弧を描いています。この後、更に北東方向に1分程見えていたので、対角魚眼レンズでも全光跡を写せなかったのは残念でした。画面下側には魚眼レンズ特有の中央が凹んで左右が上にあがる形で賑やかに街の明かりが写っています。明かりが白飛びしているのでシャッター速度はもっと短くするべきでしたが、空の色をブルーに調整したので全体的にはチョッと良い感じで仕上がったのではないかと思います。
「きぼう」/ISSの光跡の途切れをなるべく短くするためウェブで見つけた連写モードで撮影するアイデアを使い、エネループ8本を詰めたバッテリーグリップを装着し連写速度をあげたD700を使っています。
リモートスイッチを押しっぱなしの位置にセットすると、2秒毎にシャッターが開閉して連写してくれるのですが、D700は連続撮影が100枚しかでき無いと言う不思議な仕様なので、100枚以上連続撮影する場合には、途中でリモートスイッチを一旦切り、直ぐに入れ直す必要があります。慣れれば1秒も掛からずにできるのですが、前に試したときに見事に失敗した経験があり緊張しましたが、今回は上手く出来ました。
重ねたコマ数は合計129枚で、明コンポジット合成です。1枚目開始から129枚目開始までの時間が4分32秒(272秒)です。シャッターが開いている時間が128枚分合計256秒なので、コマ間時間の合計は272-256=16秒。これをコマ間の数128で割ると0.125秒になるので、連写速度は秒8枚になります。ニコンはバッテリーグリップ付きでのD700の連写速度を秒8枚と発表していますので、ドンピシャの結果でした。
「きぼう」/ISSのような高速で移動する飛行体の光跡と明るい市街地を同時に写しこむには、連写と比較明コンポジット合成を使用する手法はなかなか良い方法だと思っています。

D700+MB-D10にシグマ15mm・f/2.8魚眼レンズ。SS2秒x129枚の比較明コンポジット。