ホトケノザは暖かい南関東では一年中道端に生えている。冬が深まると背丈が低くなり数も少なく、開いた花は滅多に見られず、小さな赤い蕾をつけた株が多い。
早春、暖かな日溜まりで小さな紅色の口をいっぱいに広げて春の訪れをホトケノザが歌い始める。
4月ともなると、赤いホトケノザの群落は野原の合唱隊のように、道端や空き地のそこいら中で春爛漫を歌っている。
大きな口を開け声を張り上げて春のメロディをデュエットで歌う花は、なぜか、少なからず滑稽な表情をしている。