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ピン甘日誌 - 8
 ■ 大空の夜明け 9月9日

このページは、BBSの開設にあたって私自身が書き込みしたものを加筆修正したものです。少々センチメンタルですが、記念にとっておきたいと思いましたので。

雲の上の夜明け大空の夜明け

昨年末に津波の被害を受けたペナン島、そこでの一週間の仕事が終わり、帰国を迎えた。仕事場所は島の南側で、津波に襲われた島北側との間には山があり、どこにも津波被害の跡形はない。

近代的な工場が建ち並ぶ工業区域の前を走る幅20m位はある広い道路を渡ると、狭い砂浜がありその先はもう海である。驚いたことに、海から道路や工場を守る堤防も波消しブロックも全く見あたらない。聴けば、この海はマレーシア半島とペナン島を分けている細長い内海のようなもので、かって荒れたことが無いと言う。

確かに、通勤時に見る海は何時見ても穏やかなベタ凪だが、海面と道路の高低差さは1m程しかない。台風と地震の国日本では考えられないそののどかさは、何か信じられないものだった。

ペナンからクワラルンプールへ飛び、乗り継いだフライトは夜行便で、夜中の10時過ぎに出発し成田到着は朝6時頃の予定とあった。日本出国前に予約した席は飛行方向に向かって左側で西側の空しか見えない席と判り、チェックイン時に右の窓側に席を替えてもらえないか尋ねた。東側の太陽が昇ってくる座席に陣取れば、きっと空中の夜明けに出会えるに違いない、と思ったからでした。

首尾よく座席を替えてもらったものの、夜行便の機内はとても寒かった。毛布を2枚もらい身体にかけ、うとうととしている間に時間が過ぎ、突然、窓の外漆黒の闇、雲海の地平にオレンジ色に輝く長い線が現れ次第にその上の空が黄色に輝き始め更に深いブルーへと続く雲の上の夜明けを迎えた。

旨くいったのです、鹿児島上空辺りで夜明けを迎えました。オレンジ色に輝く空中の夜明けに出会えたのです。

暫くすると、オレンジの線がぼやけ遠くの雲が僅かに赤みを帯び始めました。翼の下の雲も茜色に染まり、壮大な朝焼けの中を私達の乗ったジャンボが飛びぬけて行く、そのような朝焼けを想像したのですが、眼下の雲は淡い黄色味を帯びて茜に染まる気配を見せたものの、それもつかの間で、がっかりしたことにそのまま見慣れた乳白色の雲海に戻っていったのです。

周りの乗客は、眠さが先に立っているのでしょうシートに体に預けたまま誰一人身動きする気配もありません。窓の外に広がる雲の地平線の端から端まで細長くオレンジ色と黄金色にまぶしく輝く夜明けをじっと熱心に見ていたのはどうも私一人のようでした。

成田到着前に朝食が振舞われ、寝不足から若干回復したと思ったのですが、案の定風邪を引いてしまいました。

暑い夏の盛りです。夏風邪は長引くといわれています。どうぞ皆様も風邪など引かないよう、元気にお過ごしください。

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