ニュージーランド紀行(2) ミルフォードサウンドへの道-1 テアナウへの道

ミルフォードサウンドへの道順を下の地図に描いてみました。(地図をクリックすると別画面で見れます)
地図の中央からチョット右上に出発点のクイーンズタウンがあります。
目的地のミルフォードサウンドは地図の中央左上にあります。クイーンズタウンからの直線距離は約70kmですが、道路(赤い線)がありません。そうなんです、4角形の3辺を黄色い矢印の通り約300kmを5時間かけて走り、やっとたどり着くのです。

今回はクイーンズタウンを出発してミルフォードサウンドへの中間点-テアナウまでの道のりです。
下の写真は前日の夕方に撮ったクイーンズタウンの西端にある出発点のヘリテージホテル・クイーンズタウンです。クイーンズタウンは氷河が造った湖-ワカティプ湖の北側湖畔に面した街で、写真は南を向いて撮っているので、ワカティブ湖はホテルの後ろ側に隠れていて、ワカティプ湖対岸の山が背景に写っています。

同じく前日の夕方、ヘリテージホテルから南東の方向を撮った一枚です。手前の湖がワカティプ湖で正面に写っている白い残雪を少しばかり戴いた山並はリマーカブル山脈で、この山脈とワカティプ湖の間にある道路(9号線)を南下してミルフォードサウンドへ向かいます。上の写真に写っている対岸の山は画面の右手外側になり写っていません。

当日、私は100キロ近い速度で走るバスの進行方向左側に座り次から次へと飛んでいく窓の外の景色を楽しみました。
下の写真は朝早く9号線を南下してミルフォード向かうバスの中から撮ったリマーカブル山脈。太陽はまだ山から顔を覗かせていません。窓の外の山並み(リマーカブル山脈)は白く輝く雲を背景に暗く沈んでいます。画面に映り込んでいる反対側の右側座席からは朝日に照らされたワカティプ湖が見えるはずですが、満席で残念なことに席を移動できません。時折現れる小さな集落を通過しながら、小1時間暗い山影を走り続けます。

クイーンタウン出発から約1時間、バスはファイブリバーで9号線から97号線に入り、進行方向を南西に変え暗い山影を出て光の中を飛ぶように走ります。すると遠くの牧場に羊らしき丸く白いものが見えてきました。

初めて見る羊さんの群れを “アップ” で撮りたいのですが道は牧場に近づくかと思いきや、また離れた所を....。

何度か近づいたり離れたりしているうちにとうとう羊の群れが近くに。然し、バスは100キロ近い速度を出しています。ヤッタと思ったショットもブレブレばかり。残念。

さて、下は窓の外に拡がる初夏のニュージーランドの典型的な風景です。緑の牧草地に小高い丘、丘の斜面をビッシリと覆う黄色い花。黄色い花の正体はエニシダ若しくはハリエニシダで元々はニュージーランドの植物ではなく、ヨーロッパから移住民が持ち込んだ帰化植物が鮮やかな黄色の群落を作っています。ハリエニシダは羊に食べられないので、お金の掛かる木製牧場柵の代用品として植えたのですが、沢山の種が出来繁殖力が強く野山にはびこるので、今ではやっかいものです。旅人である私たちには自然豊かな景色に見えますが、人間のあさはかさがもたらした自然破壊の例なのだそうです。

草原の向こうに川でも流れているのでしょうか、そこから立ち上る水蒸気が長い霧のカーテンを造っているように思える光景にも出会いました。柵に囲まれた牧場の中には羊の姿も見えます。

そして、人口の4倍いると言われている羊の大集団。草原の中の白い点々は石ころではありません、皆思い思いに草を食べている羊さんです。

そしてクイーンズタウンを出発してから約2時間半、ミルフォードサウンド観光の拠点となっているテアナウに到着します。

次回はテアナウの街の様子をアップの予定です。

写真は8番目のみD200とシグマ18-200mm/F3.5-6.3、他は全てD700と24-85mm/F3.5-4.5。